ごあいさつ

MESSAGE

片峰 茂

国立大学法人 長崎大学学長

片峰 茂 shigeru katamine

2大学の協働は新たなステップを踏み出します。

この度、長崎大学と福島県立医科大学との共同大学院「災害・被ばく医療科学共同専攻(修士課程)」が、文部科学省の大学設置・学校法人審議会の審議を経て、設置の運びとなりました。

長崎大学は、2011年3月11日の東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所事故の直後から今日まで、4年余りにわたって、福島での緊急時危機管理、県民健康調査など、福島県立医科大学と厳密な連携による協働を行ってきました。多くの本学教職員が福島に赴き、そのうち何人かは福島の住人となり、現在も福島県立医科大学に勤務しています。

今回の共同大学院「災害・被ばく医療科学共同専攻」設置は、これまでの2大学の協働の積み重ねが共同教育課程として具体的に結実したものであり、重要なマイルストーンということができます。これを機に、2大学の協働は新たなステップを踏み出します。
これまでの福島での活動を通して、私たちは、放射線リスクに関する専門知識を有する医療従事者が住民の近くに存在することの重要性を痛感いたしました。とりわけ、福島県川内村に2年以上にわたって常駐し、村民の安全・安心に大きな貢献を果たしている本学の教員、折田真紀子保健師は、そのことを私たちに身を以て教えてくれています。

現代社会においては今後、原発事故にとどまらず、医療被ばくを含めた放射線による健康リスクが増大することが予想されます。共同大学院「災害・被ばく医療科学共同専攻」の新設により、福島と長崎から、放射線健康リスク専門家としての看護師、保健師、放射線技師、警察・消防等関連行政職員等を、地域に、全国に、そして世界に輩出してまいります。

竹之下 誠一

公立大学法人福島県立医科大学 理事長兼学長

竹之下 誠一 seiichi takenoshita

自然災害、原子力災害、複合災害において専門家の果たす役割を考え、行動できる人材を育成する

本学は東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所の事故以降、現在まで、常に被災者と共に歩み、健康と医療の面から福島の復興を支えるべく全力を尽くしてまいりました。

震災直後、原子力災害に加え大規模複合災害における医療の専門家の果たす役割とは何か、どのような医療が必要か、どのような放射線の知識が求められるのかといったことを考え、リーダーシップを取って行動できる人材はごくわずかでした。さらに、災害の急性期から慢性期に移行するにつれ、被災地福島では、避難先の各コミュニティでの健康の見守りや、健康指導、住民の不安への対応、専門家と地域や自治体との効果的な連携構築など、コミュニケーションの場づくりと実践が出来る人材が求められていますが、そのような人材もまた絶対的に不足しています。
復興への取り組みを長期にわたり持続し、同様の災害が起きた時、福島の教訓を活かして適切な対応や行動ができる人材を継続的に育成することが本学の使命であり、いまや必要不可欠となっているのです。

そこで、長崎大学と本学は、2016年4月、原子力災害を含めた様々な災害に長期にわたり適切に対応できる人材の育成を目的に、共同大学院「災害・被ばく医療科学共同専攻(修士課程)」を開講いたしました。被ばく医療学・放射線リスク学で実績を持つ長崎大学と、東日本大震災を経験し災害医療分野での実績を持つ本学の、それぞれの大学の特長を活かしたカリキュラムにより、災害の現場と災害後の復興を支える人材育成に取り組んでおります。
現在この共同大学院には、保健師や看護師、消防士など多彩な職業の方が入学し、学んでいます。それぞれの職の専門性に加え、災害・被ばく医療科学分野の幅広い知識を得ることで、将来、危急時にその力を発揮できるプロフェッショナルとして活躍することが期待されます。どのような災害であっても復興に必要な最大の力は「人材」です。災害時、災害後の復興を医療の面からリードする人材になるべく、ぜひこの共同大学院を活用ください。

山下 俊一

長崎大学理事・副学長、福島県立医科大学副学長

山下 俊一 shunichi yamashita

非常事態や複合災害に備える特色ある学びを。

科学技術の進歩に支えられて発展を遂げている現代社会は、常に未知のリスクと隣り合わせの状況にあります。2011年の福島第一原子力発電所事故以来、福島復興に向けて協力してきた長崎大学と福島県立医科大学が、2016年4月、医科学と保健看護学に特化した共同大学院(修士課程)を創設します。

今後、日本国内だけでなく、アジア諸国をはじめとする海外においても、原子力災害や放射線事故に対する備えと対策は喫緊の課題です。本専攻では、非常事態や複合災害に備え、自然科学と社会科学を基盤としたリスク規制科学を学ぶことができる特色ある修学環境と指導体制を有する両大学が双方の経験と強みを発揮し、災害・被ばく医療科学の現場と被災からの復興に不可欠な人材を輩出します。

共同大学院履修モデルコース
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